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むち打ちの労働能力喪失期間は?
交通事故でむち打ちの場合(後遺障害14級など)、労働能力喪失期間はどのように考えればいいのでしょうか。
労働能力喪失期間とは、喪失率表による労働能力喪失割合が、今後いつまで継続するかという期間のことです。
例えば、四肢欠損等の障害の場合は、その障害は永久に残存するものですから就労の終期になる67歳まで算定します。
ところが、軽微神経症状の場合にも67歳まで算定可能かというとそうではありません。
つまり、「むち打ち症」等の神経症状の場合は、心因的要素も多く見られ、障害の永久残存性に疑問がある場合も見受けられるため、基準としては、喪失期間を14級で5年、12級で10年程度として算定する例が多いです。
ただし、逸失利益の算定は、障害部位と障害内容をよく理解してその実態に応じた喪失期間を算定する必要があり、単に基準にそう書いてあるからといった程度の感覚で解決を図ると問題が生じることとなります。
この点、末梢神経系の障害であっても、単なる捻挫ではなく、明らかに神経損傷が疑われる症状を呈しその所見が他覚的に確認できる内容であれば、期間制限という処理がなじまないこととなるのは当然です。
どういった症状と所見が期間制限になじまないか、主治医等の意見を十分聴取して判断することになります。
また、同じような神経症状といっても、例えば、橈骨神経麻痺のような末梢神経の断裂等を疑わせる障害の場合には「むち打ち症」とは異なり永続性のある後遺障害として評価する必要があります。
交通事故の被害は、それぞれ異なりますので、個別具体的な事情を考慮して慎重に判断することが大切です。