自覚症状欄のポイント(後遺障害診断書を弁護士が解説)

自覚症状欄はなぜ重要?

後遺障害診断書には、「自覚症状」欄があります。

自覚症状の有無、内容、程度は、後遺障害等級認定の基礎となる重要事項です。

例えば、むちうち症で14級が認定されるためには、自覚症状が医学的に説明可能であることが要求されます。

また、12級が認定されるためには、自覚症状と他覚所見(レントゲン等の画像など)が一致していることが必要です。

自覚症状はその名の通り患者の自覚ですので、患者本人しか分かりません。

従って、後遺障害診断書の「自覚症状」欄は、患者が医師に対して、自覚症状の内容と程度を適切に伝えて、記載していただくことが必要です。

以下、自覚症状欄のポイントを説明します。

自覚症状欄のポイント

・自覚症状を詳しく記載してもらう

・症状が一貫して続いていることが分かるよう記載してもらう

・申請前に弁護士など専門家に内容を確認してもらう

ポイント①自覚症状を詳しく記載してもらう

自覚症状は患者本人しか分かりません。

後遺障害診断書を作成する医師に分かるようすべての症状を説明し、出来る限り詳しく記載してもらうことが必要です。

但し、医師によっては、患者が訴えている症状の一部のみを記載する場合があります。

例えば、頸部痛、左肩痛、左肩痺れ、腰痛の複数の症状がある際、「頸部痛など」と省略されてしまうことがあります。

そこで、自分で自覚症状の内容、程度についてメモを作成して、医師に渡し、後遺障害診断書の作成にあたって参考にしてもらうと良いでしょう。

医師によっては、患者の作成したメモを後遺障害診断書の別紙として添付してくれる場合もあります。

検査だけでは分かりづらい自覚症状は、ご自身で書き記したほうが良いでしょう。

そして、交通事故の怪我により、日常生活や仕事にどのような支障があるかということまで、出来る限り具体的に記載をしてもらいましょう。

例えば、日常生活や仕事に影響を及ぼしていることを訴え、そのことを「~の痛みが原因で…できない」という記載をしてもらうことが有効です。

ポイント②症状が一貫して続いていることが分かるよう記載してもらう

自覚症状のみのむちうち症の場合、14級が認められるには、事故直後から一貫した症状が連続していることが必要です。

「症状が一貫して続いていること」は、後遺障害等級認定の際の重要事項の1つです。

医師の主な仕事は後遺障害の等級を認めてもらうことではなく、体を治すことが目的であり、自覚症状についてカルテ・診断書に詳細に記載しない場合があります。

しかしながら、等級認定を受けるにあたっては、事故から一貫してその箇所に症状が生じていることもポイントとなり、継続的にカルテ・診断書に症状の記載がなされていることが重要になります。

症状が一貫して続いているのであれば、「初診時から頸部痛が継続」など、事故時から現在まで同じ症状が続いていることが明確になるよう、後遺障害診断書に記載してもらうと良いでしょう。

医師に伝えていない症状を後遺障害診断書に記載する事はできないので、治療の段階からすべての症状を伝えましょう。

ポイント③申請前に弁護士など専門家に内容を確認してもらう

後遺障害診断書の作成が完成し、後遺障害等級認定の申請する前に弁護士などの専門家に確認してもらい、認定のためのアドバイスを受けましょう。

自覚症状欄のほか、症状固定日や入院・通院開始日など、誤りがないか確認しましょう。

症状によっては、どのように痛むのか、どのように痺れるのかといった内容についても、後遺障害診断書に記載してもらう必要があります。

交通事故の経験が豊富な弁護士であれば、どのような記載が認定され易くなるのかポイントを知っています。

弁護士が確認して、もし修正が必要でしたら再度医師に作成してもらいましょう。

14級を取得した自覚症状欄の記載例

・左肩~左上腕痛 ・背部痛

・左上腕~左手のしびれ

・左手握力の低下、脱力(指でしか握れない)

上記は、14級が取得できた事例の自覚症状欄の記載内容です。

自覚症状に関して、すべての症状が具体的に記載されています(「指でしか握れない」など)。

上記の後遺障害診断書を更に改善するとすれば、日常生活や仕事にどのような支障があるかということまで、具体的に記載すると良いでしょう。

例えば、「握力が低下、脱力して、指でしか握れないことが原因で、運送の仕事で荷物の上げ下ろしが出来ない、食事で茶碗を左手で持ち上げることが出来ないなどの支障がある」などが考えられます。

また、症状が一貫して続いているのであれば、「初診時から左肩~左上腕痛が継続」など、事故時から現在まで同じ症状が続いていることが明確になるよう、後遺障害診断書に記載してもらうと良いでしょう。

この欄で足りない場合、別紙で詳細を記載する方法もあります。

他覚的所見が乏しい場合も多い、むち打ち症による後遺障害でも等級認定が認められる場合も多いです。

また、交通事故当初からの医学的所見と、それと一致する詳細な自覚症状の記載により等級認定が認められる例も多くあります。

ただ、医学的所見と一致しない自覚症状の場合、信用性を疑われてしまう場合もあるので、注意が必要です。

後遺障害は弁護士法人アルテにお任せください! 阪神尼崎すぐ

当社では、交通事故の後遺障害案件を多数取り扱っており、後遺障害認定、医学的知見を熟知した実績豊富な弁護士が対応します。

また、事故直後より、受けておいたほうがよい検査等を含め、後遺障害の認定に協力的な医師を見つけるためのアドバイスも行っております。

後遺障害診断書作成段階において、当社が、これまで後遺障害等級の認定を取得できたむち打ち等の多くの後遺障害診断書を分析・検討することで、どのような診断書の記載が後遺障害等級の認定に必要かなどを、具体的にアドバイスいたします。

さらに、適切な治療、認定、賠償金の獲得に向けた正しい見通しによる計画を立て、それを実行してきた豊富な経験があります。

弁護士法人アルテでは、交通事故の後遺障害に苦しむ方を助けるため全力を尽くします。

交通事故の後遺障害でお悩みの方は、お気軽にご相談ください。

この記事を書いた人:弁護士法人アルテ代表 弁護士 中西優一郎

東京大学法学部卒業。東京の外資系法律事務所に勤務し、渉外弁護士として、労働、コーポレート/M&A、ファイナンス等の企業法務に従事。
2012年に兵庫県尼崎市にて開業。2014年に法人化し、弁護士法人アルテの代表に就任。
交通事故の解決実績多数。脳・脊髄損傷等による重度後遺障害案件を多く取り扱っている。交通事故の被害者救済のため、医療機関等との連携を強化。事故直後より、後遺障害等級の認定、適正な賠償金の獲得まで、ワンストップでサポートしている。

関連ページ


後遺障害の等級認定を事故直後から徹底サポート
0120-066-435
  • メール受付
  • ご相談の流れ