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交通事故の後遺障害認定と労災の関係は?
交通事故の後遺障害認定と労災は、どのような関係にあるのでしょうか。
後遺障害認定に関して、人が怪我をして治らず、障害を残存させたことによってその補償の必要が生じる事態は、日本では交通事故よりも先に労働災害の事例として生じました。
戦前の「工場法」という法律では、一定の身体障害の類型を定め、この障害分類にはいる障害残存の労働者に一定の補償給付を行う方法がとられていました。
これが、戦後「労働者災害補償保険法」に引き継がれて現在にいたっているのです。
労災保険法は、昭和22年に施行されました。
これに対し、交通事故関係の法的整備は、車社会の発達に応じてなされてきており、昭和30年法律第97号として制定された「自動車損害賠償保障法」(自賠法)によって初めて後遺障害の補償がなされるようになったのです。
したがって、自賠法に定める後遺障害の内容も、必然的に労災保険における後遺障害類型を援用する形となって現在にいたっています。
現在、実務で用いられている後遺障害認定のための類型基準を定めたものとしては、労災保険法施行規則別表1の「障害等級表」に具体的に定められ、「障害等級認定基準」は、昭和50年当時の医学的知見を根底にしてその後若干の改訂を加えた「労災補償障害認定必携」が公刊されてこれが用いられています。
自賠法上の後遺障害認定基準も、原則的にこの「労災補償障害認定必携」に拠って認定がなされています。