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外貌醜状の逸失利益は認められるか?
外貌醜状の後遺障害に逸失利益は認められるでしょうか。
外貌醜状に関する後遺障害については、それ自体が身体機能に影響を与えるものではないことから、労働能力喪失の有無及び程度をめぐって裁判上、争いになることが多いです。
裁判では、外貌醜状による逸失利益について、性別や年齢、職業等を勘案し、労働能力にどのような影響を与えるかを考察しており、逸失利益を肯定する事例、否定する事例に分かれています。
近時の裁判実務上の傾向を踏まえると、(ⅰ)被害者の性別、年齢、職業等を考慮した上で、醜状痕の存在のために配置転換させられたり、職業選択の幅が狭められるなどの形で労働能力に「直接的」な影響を及ぼすおそれのある場合には、一定割合の労働能力の喪失を肯定し逸失利益を認める、(ⅱ)労働能力への直接的な影響は認められなくても、対人関係や対外的な活動に消極的になるなどの形で「間接的」に労働能力に影響を及ぼすおそれが認められる場合には、後遺障害慰謝料の加算事由として考慮し、原則として100万円~200万円の幅でこれを増額する、(ⅲ)これら以外の場合には慰謝料も増額しないという傾向があります。
外貌醜状については、後遺障害等級表の改訂があり、男女間格差が解消されましたので、今後の判例の動向に注意が必要です