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失語
1 症状の内容
失語症とは、大脳の言語領域が損傷された結果、それまでに獲得されていた言語機能を操作する能力が低下あるいは消失した状態を言います。
失語症には大きく分けると4つの症状があります。
まず、①聴覚的理解の障害があります。
まず、「言語音」を認知できない、つまり、耳は聞こえていても、その音がなんと言っているのかがわからない状態があります。
次に、音は聞き取れても、それが自分の知っている言葉だと判断できない場合、言葉であることがわからないことがあります。
さらに、それが言葉だとわかっても、意味がわからないという症状もあります。我々が日常的に話す内容は、単なる言葉、単語ではなく、文章として意味をなしていますから、個々の言葉がわからなければ、文も理解することができません。
次に、②読解の障害があります。これも聴覚的障害と同様に、目は見えても文字として認識することができないことがあります。次に、文字として認識できても、存在する言葉として認識できないレベルもあります。さらに、言葉ということがわかっても意味がわからないという症状もあります。さらに、単語としての言葉が理解できても文としての意味がわからないという症状もあります。
次に、③発話の障害があります。頭の中に正しい目的物のイメージをしていながら、意図した言葉が言えない「喚語困難」があります。名称がでてこずに、「あれ」という言葉を多用したり、「スプーン」を指すのに、「カレー食べるときに使うやつ(迂回表現)」と行ったりします。また、「りんご」を「きんご」と言ったり(音性錯語)、りんごと言いたいのに「みかん」(意味性錯語)と言ったりします。新造語が出てきて、意味不明なジャルゴンを話したりします。
次に、④書字の障害があります。何かを書くと言うことは、意図した意味に合う言葉を選択し、それを文字に変換する過程がありますが、「つくえ」と書こうと思ったのに「くくえ」と書いてしまったり(音韻性錯書)、「つくえ」と書こうと思ったのに「いす」と書いてしまう(意味性錯書)場合があります。
2 症状例
・人の話を理解することはできるが、質問されても答えることができない。
・話す内容が意味不明なものになってしまう。
3 家族の対応方法
本人は、中身は理解できていてもそれを言葉に変換して話をすることが困難なので、質問する際は、YES,NOで回答できるような形にする。本人が何かを言おうとして、間違ったことを言ったとしても、文脈から理解できる場合は、推測して対応することが重要です。本人が、何かを言いたいのに言えない場合に、相手にしない、という対応はいけません。また、言葉をうまく話せないからと言ってコミュニケーションができないわけではなく、本人は何かを伝えようとしているかもしれませんので、積極的に話しかけることが重要です。
4 必要な検査
標準失語症検査
WAB失語症検査
失語症鑑別診断検査
重度失語症検査
など